VoLTE品質を超えるドコモのVoLTE(HD+)を利用できる条件とは
VoLTE(HD+)の説明の前に、そもそもVoLTEとは何かと言いうことを簡単におさらいしたいと思います。VoLTEとは「Voice over LTE」の略で、文字通り4GLTE回線を利用して通話することを言います。VoLTEを利用することで、従来の3G(FOMA)での音声通話よりも、より高音質な通話が可能となります。
ドコモの場合、3G(FOMA)が対応する音声周波数は300Hz~3.4kHzであるのに対してVoLTEの場合は50Hz~8kHzと、従来よりも高音域の周波数帯に対応することにより、通話品質の向上を実現しています。

ドコモ公式ホームページより
VoLTE(HD+)とは?
VoLTE(HD+)とは、VoLTEよりもさらに高品質・クリアな音声通話のことを言います。具体的にはVoLTEの音声周波数は50Hz~8kHzであるのに対して、VoLTE(HD+)は50Hz~14.4kHzと、さらに高音域に対応します。
このVoLTE(HD+)を使用できる条件ですが、①VoLTE(HD+)対応機種であること、②VoLTE(HD+)対応端末同士であること、③LTEエリア内での通話であることが上げられます。
まず対応機種ですが、これはドコモの公式ホームページをご参照下さい。
ちなみに2019年に発売されたVoLTE(HD+)に対応するドコモスマートフォンは以下のとおりとなります。なお、Pixel 3シリーズはVoLTE(HD+)に対応していますが、実はiPhoneはVoLTE(HD+)に対応していないんですね。
arrows Be3,HUAWEI P30 Pro,LG style2,Galaxy S10,Galaxy S10+,Galaxy S10+(Olympic Games Edition),AQUOS R3,Xperia Ace ,Xperia 1
VoLTE(HD+)で通話している時の画面表示
通話でVoLTE(HD+)を利用しているときは、通話中の画面上に「HD+」アイコンが表示されます。
そこでまず、VoLTE(HD+)に対応するPixel 3(ドコモ版)とAQUOS R2(ドコモ版)との間で通話をして、画面表示を確認してみました。両方の端末ともにドコモのSIMが入っております。
結果は、AQUOS R2が「HD+」表示、Pixel 3が「HD」表示となりました。
実はこの「HD+」表示なのですが、「HD+」で通話をしていたとしても、電話アプリが「HD+」表示に対応していない場合は、「HD」表示となってしまうのです。
但し、これはあくまで表示上の問題であって、Pixel 3は実際には「HD+」で通話をしています。AQUOS R2が「HD+」となっていることがその証明となります。「VoLTE(HD+)対応端末同士であること」が条件となっていましたよね。AQUOS R2に「HD+」表示があれば、つまり両端末ともVoLTE(HD+)ということです。
VoLTE(HD+)は、エリア内におけるドコモのVoLTE(HD+)対応端末同士での利用が可能であり、片方の端末画面表示が(HD+)であれば、お互いにVoLTE(HD+)が利用出来ているというわけです。
他社端末かつ自社回線との通話でもVoLTE(HD+)は使用できる?
既述のとおりドコモ公式ホームページでは、VoLTE(HD+)を使用するためにはそれに対応した機種を使うことが条件となっております。ところがこの対応機種一覧にはドコモから発売されている端末しか記載されておらず、相手側がauやソフトバンク端末のほかSIMフリー機種を使用した通話でもVoLTE(HD+)が使用出来るのかどうかが分りません。
そこで、今回はソフトバンク端末とSIMフリー端末にドコモSIMを入れて、AQUOS R2(ドコモ版)と通話してみました。
結果は以下のとおり、VoLTE(HD+)の利用は可能となります。P30は「HD」表示ですが、先ほども記載したとおり、P30の通話アプリが「HD+」表示に対応していないだけで、実際はVoLTE(HD+)で通話しているものと思わます。
今回の検証で分かったことはソフトバンク版のAQUOSR2compactやHUAWEI P30 SIMフリー もVoLTE(HD+)に対応しているということであり、ドコモ端末のみがVoLTE(HD+)に対応しているというわけではないということです。
他社端末・他社回線との通話でもVoLTE(HD+)は使用できる?
上記ではドコモのSIMを使用しましたが、今度は他社端末で「他社のSIM」を使用します。
「au端末にauSIM」や「ソフトバンク端末にソフトバンクSIM」と通話してみました。
結果は以下のとおりです。auSIMを入れたAQUOS R3(au版)との間での通話ではVoLTE(HD+)の使用が可能でした。但し、au側はあくまでauのVoLTE規格で通話していますので、au側はVoLTE(HD+)ではありません。
一方、今回の検証ではソフトバンクやワイモバイルとのVoLTE(HD+)は確認することが出来ませんでした。これは、エリア等の問題もあるため、シチュエーションによっては使用できる可能性は否定出来ません。引き続き調査は続行していきたいと思っております。
ドコモMVNO(格安SIM)でもVoLTE(HD+)は使用できる?
それでは最後にドコモの格安SIMでもVoLTE(HD+)は使用可能なのかを検証してみます。結果は以下のとおり使用可能となりました。ちなみに格安SIMはIIJmioのドコモ回線を使用しております。
実はいろんなシチュエーションでVoLTE(HD+)の使用は可能でした
ドコモ公式としては自社の対応端末でのみVoLTE(HD+)の利用が可能とされていますが、実は他社との通話や格安SIMでの通話でもVoLTE(HD+)の利用が可能であることが分かりました。
但し、他社端末(Google Pixelを含む)の通話アプリは「HD+」表示に対応しているものは少なく、なかなかVoLTE(HD+)を利用出来ているというのが分かりにくい状況にあります。
また、SIMフリー機種はドコモVoLTEの対応可否については公式に謳っているメーカーが多いものの、私の知る限りではVoLTE(HD+)に対応しているか否かを公表しているメーカーはないように思います。
つまり、他社端末については実際に使用してみないとVoLTE(HD+)に対応しているかどうかが分からないということです。P30がVoLTE(HD+)に対応していることも、今回の検証で初めて知りました。
他社端末でのVoLTE(HD+)については、まだまだ情報が少なく、私の私見も含まれるものの、端末選びの参考にして頂ければ幸いです。
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